来日して二十年。中国出身の私から見ると、大半の日本人は、中国のことを分かっているようでまったく分かっていないと感じることがしばしばある。
日本人と話していて、「中国」に対する相手の認識の甘さや勘違いのひどさに驚いたのは決して珍しいことではない。時には、私が知っている中国の現実と、多くの日本人の抱く中国イメージとのあまりにも大きな落差に、ただただ唖然とし、返す言葉を失ったものである。
数年前に、日本で高名な某大手企業の経営者が、当事から囁かれていた「中国経済バブル」について、大新聞の紙面でこう語ったことがある。
「私は中国でバプルが起きる可能性はまったくないと思います。五千年の歴史を持つ中国人はとても賢明な民族です。けっして日本の失敗の轍は踏まないだろうと信じています。」
この自身満々の所見を拝見し、中国出身の私は思わず噴き出した。今の中国人のその思考方式と行動原理は、「中国五千年の歴史」とはほとんど関係のない「別人種」となっているはずだ。平均的な中国人の「賢明さ」、それは、バブル的投機にもっとも適している「ずる賢さ」ではないだろうか。今の世界で、バブルに一番走りやすい民族を挙げるならぱ、その筆頭こそ、まさしく中国人である。
事実、それから数年経った現在、株と不動産を対象とする中国のバブル経済は、日本がかつて経験したものをはるかに超えた規模に膨らみ、崩壊寸前の危機に直面している。
「五千年の歴史を持つ中国人の賢明さ」に対する、前記の日本人経営者の認識と信頼感というものは、まったくの無知と盲信というしかない。
おそらく、「五千年の歴史」や「賢明な中国人」といった先入観がこの「賢明」な経営者の目を曇らせ、ある意味幼稚極まりない中国認識が生まれたのではなかろうかと、私は推測している。
間違いだらけの中国認識を生んだもう一つの原因は、やはり日本のマスコミにおける中国報道の偏った姿勢にある。日本の代表的な大新聞やテレビの大半が毎日のように「中国情報」を流しているが、その中味を見ているとやはりどこかがおかしい。
別に中国政府から命令されたわけでもなければ依頼されたわけでもない(と思う)が、「中国」をテーマとする報道となると、メディアの多くはほぼ自動的に、「中国の良い面」にかんする情報をできるだけ大きく取り上げ、「悪い面」にかんするものをできるだけ無視してしまう。あたかも、中国の「メンツ」を守ることを自らの最高使命だと「自覚」しているかのような不可思議な姿勢である。
たとえば、今や日本全国を騒がせている「中国製毒ギョーザ」事件にかんする報道がそうである。中国国内で「有毒食品」が氾濫し始めたのは、二〇〇〇年代初頭からである、実は、六、七年前から、「有毒食品」を食べ、死亡者が出るような事件は毎月のように起きていたのだ。
しかしこの六、七年間、日本のマスコミは、この問題の深刻さにほとんど目を瞑っていた。その結果、日本国民の多くが中国食品の安全問題に無自覚のまま、中国製の冷凍食品に依存するような生活環境に置かれるようになった。最近の「毒ギョーザ」問題発覚によって、日本の食品業界はいきなりパニック状態に陥り、日本国民の食卓の安全が大変な危機に見舞われることになった。それもまた、中国の真実に対する日本人全体の認識不足が生んだ深刻な結果であろう。
したがって「中国」に対する、日本人にありがちな先入観や盲信を打破して、マスコミが伝えたくない中国の本当の姿をより多くの日本国民に分かってもらうことは、何よりもの緊急課題となる。このサイトは、それに答えるための一つである。
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