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石平の中国レポート

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「三つの代表」論

「三つの代表」論は、江沢民・共産党元総書記がその在任中の二〇〇〇年に、中国共産党のあり方について提唱した考え方である。

それによると、中国共産党という政党は、◆先進的生産力、◆先進的文化、◆中国の最広範な人民の根本的利益、の三つを代表している、もしくは代表すべきである、ということである。それを略して「三つの代表」論、あるいは「三つの代表」思想と呼ばれているが、二〇〇二年一一月に開かれた共産党第ニハ回全国代表大会にて採択された党の規約において、「三つの代表」論は毛沢東思想・鄧小平理論と並べて、中国共産党の指導思想の一つとして規定されている。

「三つの代表」論が提唱された背景には、中国共産党の従来の立党理念と中国の社会的現実とのギャップがあった。マルクス・レーニン主義に基づいて自らを「労働者階級の前衛党」と標榜していた共産党は、本来ならば労働者階級の敵とされる資本家階級の消滅をはかるべき立場であるが、現在の中国においては、市場経済の担い手である私営企業の経営者・資本家たちこそが、経済発展を至上の課題とする中国共産党が連携しなければならない大事な同盟軍となっている。

「三つの代表」論においては、彼ら私営企業経営者や資本家たちも一応「先進的生産力」と「最広範な人民」の範疇に入っているから、この矛盾は当然解消されたものと考えられている。この理論の提唱によって中国共産党自体は「階級の政党」から「国民の政党」へと脱皮をはかろうとしているのである

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