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石平の中国レポート

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中国の保険システムと社会保障制度改革について

改革・開放以前の社会主義計画経済時代において、社会保障システムの基本は公費負担であった。たとえば国有企業の労働者の場合、医療費はその所属する企業より全額支給されるのが原則であり(公費医療)、定年(退休)したあとは元の所属企業から一定額の養老年金(退休金)をもらえると同時に、公費医療を引き続き享受することもできる。政府機関に勤める官僚・公務員(国家幹部)の場合もまったく同様である。

しかし国有企業は、それでたいへんな負担を抱えることになっている。計画経済から市場経済へと移行するなか、多くの国有企業が本格的な市場競争にさらされた途端に経営難に陥った一因も、この公費負担の保障システムにあると考えられる。国有企業の経営不振・経営破綻が全国的に広がるにしたがって、このシステムもだんだん機能しなくなってきている。

そのために、中国は経済体制改革の一環として、年金制度・医療保険制度の再構築を目指し、社会保障制度の改革を積極的に推進している。しかし、計画経済時代の保険システムに代替できる、全国統一の社会保障システムは、いまだに構築できていない。

このような背景があるからこそ、本書において著者は、中国における「基本養老保険(国民年金保険)と医療保険システムの早期確立が急務である」と提言しているのである。

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